あの頃の私
“仙台駅に着いたら電話して。迎えに行くから”
恋人からのメール。
「……ふっ、うっ」
涙がボロボロとこぼれる。
周りの人が私をヘンな顔で見ていたけれど、とまらなかった。
恋人は高校時代からの友人。
私をずっと近くで支えてくれていた。
ごめんね、今日だけは。
今日だけは泣かせてほしい。
明日からは君だけを見てるから。
海沿いの大きな観覧車が見える。
あの頃の私は彼との将来を夢見ていた。
ごめんね、あの頃の私。
さよなら、あの頃の私。