シグナル
「だがその前に、
みんな歩き放しで疲れたろ、
洞窟も塞いで、
追っ手が来る心配も無くなった事だし、
少し休もうか!」
このテリーの発言に、
ラルフは呆れたような口調で反論した。
「やっぱり休むのか?
何時までもこんな所にいられないだろ、
何処から敵が攻めてくるか分からないんだぞ!」
その言葉にテリーは暫く考えた後、
「やはり少しだけ休もうか…
夜通し歩き続けて、
みんな疲労が溜まっている、
万が一この先敵と遭遇した時の為に、
この辺で疲れをとっておいた方が良いだろう…」
そう言うと、
僅かに原形を留めている立木の所へ行き、
太陽の向きを確認すると、
地面に内側から外側へと線を引き、
簡単な日時計を作った。