シグナル
テリーは目安にしか思っていなく、
しかも日時計なので、
正確な時間は計れないが、
およそ二十分程度の物であった。
テリーはその簡易日時計を指差すと、
「この影がこの線に来るまで休憩しようか、
ラルフとニックには見張りを頼めるか?
もちろん後で交代する!」
「わかった!」
ニックは快く引き受けたのだが、
それに対しラルフは、
「お前少し甘いんじゃねぇか!」
そう言いながら、
一人不満そうな顔をしながらも、
双眼鏡を手に見張りに立つ。
他の仲間達は休憩に入り、
武彦も同様に休憩に入るのだが、
この世界に来て武彦は、
不思議なことに少しも疲れを感じていなかった。