シグナル

「テリー、誰かこっちへ来るぞ!」

「なに!よりによってこんな時に…

まさか敵じゃないだろうな、

味方なら有り難いんだが…

頼む!味方であってくれ…」

テリーの願いとも思える呟きに、

ラルフが激しく責め立てる。


「もし敵だったらどうするつもりだ!

こんな所でモタモタしているからこうなるんだ!

これはお前の甘さが招いたミスだぞ!」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!
 
どこかに隠れないと…」

ケイの言葉にラルフは、

「そうだな!

今は身内で争っている場合じゃないな…」

困り果てたテリーがまわりを見渡すと、

「あれだ!」

テリーが指し示す先には大きな岩があり、

六人はひとまずその岩に身を隠す事にした。

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