シグナル
その中で武彦は恐怖に怯え、
体をぶるぶると震わせていた。
次第に全員が落ち着きを取り戻しかけたその時、
敵陣営から一発の銃弾が放たれた、
それは一人の若い兵士が指揮官の指示を待ちきれずに撃ってしまったものであった、
これをきっかけに両軍から銃弾が乱れ飛ぶ。
そんな中武彦は、
未だ恐怖に打ち勝つ事が出来ず、
物陰に隠れ身を震わせていた。
その様子を見たラルフは、
「武彦何してる、一緒に戦え!」
だがどうしても武彦は足がすくんでしまう。
その間にも次々と命を落としていく仲間達。
この様子を見た武彦は、
ますます恐怖感を高ぶらせるが、
同時に自分だけ安全な場所にいる訳にいかないとの思いが高まり、
意を決して戦闘に参加する。