シグナル
「あのね武彦君…
親御さんに連絡しなければいけないの、
電話番号だけでも教えてくれない?」
「分からない…
電話番号って何?」
「武彦君何を言ってるの?
電話くらいあるでしょ、
ふざけないでちゃんと教えて!」
「分からない、
この世界に電話なんて物があるの?」
「……」
番号を言おうとしない武彦に対し、
暫く考え込んだ青木は、
「分かった!もう良いわ…」
その言葉を言い残し、
再び署員に付き添う様指示を出すと、
もう一度安藤の元に戻った。