シグナル

翌日は両親への質問も行われた。


質問は両親が一人ずつ行われ、

まず始めに、

母親である美智代が質問を受けることとなった。


「武彦君は普段どの様な生活をしているんですか?」

「以前は毎日良く勉強していて、

塾でも学校でも、

いつもトップの成績でしたが…

最近では殆ど勉強をしていなかった様です!」

「他には何か思い当たる事は無いですか?」

「これは武彦が警察に捕まった日に初めて気付いたんですが、

どうやらあの子、

部屋にこもりゲームをしていた様です…」

「それはどの様なゲームか分かりますか?」

「詳しくないのでよく分かりませんが…

シューティングゲームっていうんですか?

ピストルとかで人を撃つやつ、

ああいうのをやっていた様です…」

「それは事件の直前にもやっていたと言うことですか?」

「はい…やっていたと思います…」

「その時いつもと変わった様子はなかったですか?」

「そう言えば事件の四日ほど前から、

部屋からほとんど出なくなった気がします…」

「四日も?それは閉じこもってゲームをしていたと捉えていいのでしょうか?」

「えぇ、そうだと思います」

「分かりました…

では次の質問にいきます!

武彦君は勉強が出来たようですが、

自ら進んで勉強をしていたのでしょうか、

それとも半ば強制のような形で…」

「あの子は自分から進んで勉強をしていました…

強制などという様な事はありません」

「では彼に過度の期待を掛け過ぎたと言うことは?」

「無いと思います!」

しかしこの時美智代は、

自分の発言に対し自信を無くしていた。

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