シグナル
「何をしてるの彼方は!
彼方が死んで悲しむ人がいないとでも思ってるの?
そんな事をして、
残されたママ達はどうしたらいいの!
死ぬ勇気があるなら、
生きる為の勇気を持ちなさい!
生きるのよ、
生きる事が償いにもなるの!
そしていつか自分の力でお金を稼げる時が来たら、
あなたも一緒に賠償金を払っていくのよ…
それがあなたの責任でもあるの!
その時が来るまでは、
ママ達が払っていくわ!」
「ごめんなさい、ごめんなさいママ!」
涙を流しながら謝る武彦、
その後少しずつ、
美智代の表情が優しくなっていった。
「でもよかった、助かってくれて…
本当によかった…これから先、
あの時死なないでよかったと思える日がきっと来るわ…
今は辛くても、
きっといつか楽しい日々が待っているわよ!
私達人間には良い事も悪い事も平等に与えられるものなの!
少なくてもママはそう思っているわ!
そう思えるようになったって言う方が正しいわね…」
武彦が涙を流しながら聞いていた次の瞬間、
美智代の瞳から涙がこぼれ落ちた。