シグナル

「やっと見つけたぞ武彦!」

「誰、どうして僕の名前を知ってるの?」

突然現れた見知らぬ人物に自分の名前を呼ばれ、

驚いた武彦は思わずこう尋ねた。

「俺の名前はテリー、

君の事を探しに来たんだ」

「僕を?どうして僕を捜しに来たの?

だいいちここ何処?」

「説明は後だ、

早くこの場を離れないと奴等に見付かってしまう…

とにかく付いて来てくれないか?

この先に我々が隠れ家としている所があるんだ」

歩き始める六人、

武彦は訳も分からぬまま彼等の後を付いていく。


途中行く手を阻むかの様に、

あちらこちらに瓦礫が散らばっており、

更に敵に見付からぬよう物陰に身を隠しながら蛇行を続けながら歩いていた為、

普段から体を動かす事のない武彦は足場の悪い地面に体力を奪われ、

すぐに付いて行けなくなると思っていた。


だが武彦の体は不思議と疲れを知らず、

何処までも付いて行く事が出来た。

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