シグナル

今度はケビンが代わりに語り始めた。

「本当は俺達だって、

出来るものなら戦いたくない!

幼い頃から一緒に遊んだ、

幼なじみや親しい友人を、

敵にまわして戦わなくてはならないんだからな、

でも相手が攻めて来る以上、

こちらも対抗処置をとらなくてはならない」

再びテリーが語り始める。


「その為に、

我々のこの国もかなり荒れ果ててしまった。

このままでは奴等に滅ぼされてしまう…

それだけは、

なんとしても阻止しなければならないんだ!

この先に我々が仲間達と共に暮らす村がある、

明日の朝その村へ向け出発するが、

付いて来てくれるな、

一緒に戦ってくれ!」

「でも…」

躊躇する武彦であったが、

続けてテリーが、

たたみかける様に語り出す。


「君は断れないはずだ、

この世界を作り上げたのは、

君自身なんだからな!」

「どう言う事!」

薄々気付いていた武彦だが、

にわかに信じがたい話であり、

彼自身信じたくないとの思いから、

敢えて口に出さなかったが、

テリーの口から聞かされてしまった為、

思わず出てしまった言葉であった。


「だいいち君は、

この世界に来てしまった以上、

我々と行動を共にする意外道はない!」


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