シグナル

「危なく命を落とすところだった…

どうやらこの道は違うみたいだな…」

「ごめんなさい、

私がこっちって言ったから…」

ケイが謝罪するが、

「いや、ケイが謝る事はない、

俺達がケイ一人に頼りすぎたんだ!

いくら勘が良いからといっても限度がある、

たまには間違える事だってあるよ、

気にするな、

それより何時までここにいても仕方ない、

とにかく戻ろう…」

元の道へ戻るため歩き出す六人。


この時ケビンが、

歩きながら仲間達に疑問の声を投げかける。


「でも不思議じゃないか?

この一面の荒野の中、

何処にあんな竹があったんだ?」

「ケビンは知らなかったか?

この先に少し前まで、

まるでオアシスのように、

一箇所だけ竹林があったんだ」

「そうだったのか…

全然知らなかった、

みんな知ってたのか?」

その問い掛けにニックが答えた。


「僕そんな竹林があった事なんか知らなかったよ…」

そこへケイも続く。


「私も始めて聞いたわ」

だがラルフの答えは違っていた。


「俺は前から知っていたけどな」

その後ラルフはテリーにたずねる。


「でもどうするんだテリー、

残る道は二つ、

先へ進むにはそのどちらかを選択しなければならない、

お前は俺達がケイに頼り過ぎていたと言ったが、

いずれにせよ、

ケイの勘に頼るしかないんじゃないのか?

だがもしここを切り抜けたとしても、

また分岐した道が現れるかもしれないがな」

テリーはその問いかけに、

苦悶の表情を浮かべながら応えた。


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