シグナル
もちろんこれほど頭の良い武彦にとって有名私立への合格は間違いなく、
我が校の生徒が有名進学校に進むと言うのは、
学校側としてもいち教師としても喜びではあるが、
学校と言う限られた空間の中で団体行動を送る事も、
この先待ち受けている社会生活を送るうえで大切な勉強の一環であり、
その為には武彦も皆と同じ行動をして欲しいと他の教師達もそう思っていた。
もちろん今までの担任や現在の担任である武田も、
何度も皆と同じ勉強をするよう注意を促したのだが、
すぐに自分の勉強に戻ってしまい頭を悩ませていた。
更にこの注意を受けることが武彦にとってはストレスでしか無かった。