シグナル
その頃テリー達は、
ようやく出口付近まで辿り着き、
真っ直ぐ伸びた道のその先には、
微かな光が射していた。
「やった、出口だ!」
最初にこう叫んだのは武彦であった。
他の仲間も喜びの言葉を口にしたが、
テリーだけは冷静であった。
「静かに!
日差しが見えると言うことは、
もう夜が明けている様だ!
外に敵がいるかも知れん、
こんな所で大声をだしたら、
反響して外に聞こえるかもしれないだろ!
みんな、
ここからは慎重に行くぞ!
なるべく物音をたてないでくれ!
出口まで辿り着いたら、
俺とラルフで外の様子を確認する!
いいな!
それとこれからはランプを消してしまう…
みんなスコープを用意してくれ!
スコープを頼りに進んでいく!」
「そうだな!
その方が良いだろう…」
自分にも他人にも厳しく、
常に冷静沈着なラルフの言葉であった。
その後再びテリーが続ける。
「だがそうすると、
暗闇の中に誰かが取り残されてしまう可能性がある、
万が一にでもそうならない為にはどうしたら…」
俯き考えるテリー、