シグナル

「そんなの簡単じゃない、

みんなで手を繋げば良いんじゃないの?」

そんな武彦の意見に、

テリーはあまり乗気ではなかった。


「それでも悪くはないんだが、

それだと両手が塞がれてしまうからなぁ…」

その時ケビンがみんなに声をかける。


「この中で誰か、

ロープの様な物持っている奴いないか?」

「そうか!

みんなでロープを握れば良いという事だな?」

そんなテリーの言葉であったが、

同時に疑問も投げかけた。


「でもこの暗闇の中で見つかるのか?」

ケビンがこの疑問に答える。


「まぁロープを探すなら、

手探りでも分かるだろう…

取り敢えず俺も探すから、

みんなも探してみてくれないか!」

ケビンが荷物の中を探し始めた為、

渋々ながらも自分の荷物を探す仲間達。


「あった!」

控えめな声でそう言ったのは、

ライエルであった。


「見つかったのか?

まさか本当に見つかったとはな!」

少し驚きを見せるテリーの言葉であった。


そして続けてこう付け加えた。


「じゃあこれをみんなで持ってくれ!」

テリーの指示に従い、

ロープを握る仲間達。


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