シグナル
「そんな事よりさっき、
何だか変な音が聞こえなかったか?
ちょうど俺がトラップに掛かりそうになって、
引き返した辺りなんだが」
「変な音?それはどんな音だ?」
ラルフが不思議そうに問い掛けると、
その問い掛けにニックが答える。
「それってもしかして、
何かの爆発音みたいな音?
それなら僕にも聞こえたよ!
でもとても小さな音だったから、
気のせいだと思って何も言わなかったんだ!」
ニックのその言葉にテリーが尋ねた。
「やっぱりあれは爆発音だったのか?
ニックの耳の良さはさすがだな!
俺にはそこまで聞き分ける事は出来なかったぞ!
ケビンとライエルはどうだった?
何か聞かなかったか?」
「俺にも何か聞こえた気がしたな…
けどそれが爆発音なのかは分からなかったが、
でもその後後ろから僅かに風が吹いた気がしたんだ!
ここは洞窟の中だ、
前からなら分かるが、
後ろは塞がっているはずだろ!
おかしくないか?
ライエルはどうだった?
何か聞いたか?」
「俺は何も気付かなかったな…
でももしそれが本当なら、
追っ手が来ていると言う事じゃないのか?
早くこの場を離れないと…」
ライエルのその言葉に対し、
ケビンは楽観の言葉を口にした。