ピリオドを描きながら
蝶々
「ゆかちゃん、もうすぐ作業終わるから先上がっていいよ」
泥だらけの手をはたいて、お疲れ様でしたと声をかけた。
ここにいる人たちはみんな良い人で、毎日ニコニコしながら、いってらっしゃいと言ってくれる。
私はいつものように超特急で家に向かって、シャワーを浴びてから学校に行く。
私の毎日。
平和な毎日。
お母さんがいて、おじいちゃんがいて、農家の人たちに優しくしてもらって。
忘れちゃいけないのに、こんな毎日だと忘れてしまいたくなりそう。
私を選んでくれた人がいたこと。
私の人生に欠かせない人。
私にとっての光であり闇である人。