囚われ姫


言えた。


こんなにスラスラ言えるのにどうしていつも意地悪ばかり言っちゃうんだろう…




違うか…全然言えてないよね。


聞こえてないもん。



小心者の私には無理な話。





「起きなくてよかった…」



ガックリと項垂れる私。


「起きてるよ」




!!!??



波留人が目をぱっちり開けている。




「な!!?ぃ、いつから…」



波留人がゆっくりと体をおこす。



「姫萌ちゃんが家に入ってくるのが見えた時から♪意地悪しようと寝たふりしてた」



えええ!!?



「へ、ヘッドホンは?」




にっこりと満面の笑顔をして私にヘッドホンを被せた。



「これも聞こえてなーい」







…もう。声も出ない。



恥ずかしくて死ぬ…







もう、一緒に居れなくなる―
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

今日から昨日へ
叶笑/著

総文字数/10,699

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る
彼の情事と私の事情
叶笑/著

総文字数/2,996

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop