囚われ姫

「はぁ…」




自己嫌悪。


波留人と別れてそれぞれの教室に入ると私はパッタリと机に突っ伏した。






波留人は心配してくれたのに。


わかってるのに優しく出来ない。










「緋萌。今日から放課後二人三脚の練習しない?」



安達くんから急に声をかけられて急いで体を起こす。



「あっ…うん。そうだね」



慌てて笑顔で取り繕う。



「よかった。じゃあ、放課後!」



安達くんも爽やかに笑った。


だけど、安達くんなら運動神経も悪くないし他の競技だって出れるだろうに。


まぁお互いクラスのためってとこかな。



< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop