好きになった執事は殺し屋でした。
「・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・あ、れ?
私、生きてる?
おそるおそる目を開けると、ニヤリと笑うみかの姿。
「・・・・・・って感じに殺すつもりだったんだけどな。やっぱりやめるわ」
・・・・・・。
・・・・・・・・・え!!?
そう言ったみかはポイッと拳銃をゴミ箱に投げ捨てた。
「み、みか!?」
「十年面倒見てやった情もあるからな。殺すと俺も後味わりーし」
・・・・・・・・・・・・。
『俺』!?
『わりーし』!!?
「みかっ!?言葉遣いが・・・!!あなた本当にみか!!?」
「あ?」
「みかは・・・!そんなふうに言わないもんっ!!!絶対ちがう!!あなたはみかじゃないーー!!!」
「うっせぇな。ギャーギャー騒ぐんじゃねぇ」
「だ、だって・・・!こんなみか知らない・・・・・・!!」
「どんなみかだよ?『殺し屋が本業』ってところか?」
・・・・・・コロシヤ!!??
ぐにゃりと視界が歪んだ。
ま・・・まって・・・・・・
もう無理、ついていけない・・・・・・・・・・・・。
そこで私の意識はとぎれた。
けれど意識が途切れる寸前、温かなみかのぬくもりは感じた。