好きになった執事は殺し屋でした。
まあ普通に考えて、『この執事、私の命を狙ってます!!たすけて!!』なんて警察に言ったところで、到底信じてもらえないだろう。
すっとみかは顔を離した。
そしてスタスタと扉へ歩いていく。
「・・・・・・ああ、そういえば」
すると、ふと立ち止まり、振り返った。
その顔はいつものみかの顔だった。
「お嬢様。十六歳のお誕生日、おめでとうございます」
そして不敵に笑った。
そう・・・・・・私はこの時まだ、知らなかったのだ。
この日から、自分の運命が大きく変わるということを。
運命の歯車が動き出したということを・・・・・・・・・・・・。