好きになった執事は殺し屋でした。
◆第3話◆これで“決定”!!
「に・・・逃げろって、どういうこと??」
どきん。どきん。
みかの表情から、ものすごく嫌な予感がする。
「殺さずにおいてやるって言ってんだよ」
するとみかは、ポケットからなにかを取り出して私の手の上に置いた。
「これ、やる」
「・・・・・・ナイフ?」
ポケットナイフだった。
折りたためて、持ち歩きができるもの。
「え・・・な、なんで・・・?」
「この家の金庫の場所は知ってるよな?しばらく金には困らねーだろうが・・・万が一、やべーやつと会ったら、こいつで殺れ」
「ちょ・・・ちょっと待って・・・・・・」
「若い女の一人旅なんて、危ないに決まってるからな。ほとぼりが冷めたら海外にでも逃亡しろ。分かったな?」
「むっ、むりだよ!!」
つまり、みかが言ってるのは・・・・・・
“1人で海外に逃げろ”ってこと!!?
「おまえは死んだことになるんだから。それしかないだろ」
頭をガンッと殴られたような気がした。
1人で・・・逃げる??
この先??
家族とも・・・・・・
みかとも もう会えないの・・・??