好きになった執事は殺し屋でした。
みかはだいたい夜遅くまで起きている。
いつも食器や靴を磨いたり、書類を書いたりしている・・・らしい。
らしいというのは、私は部屋に滅多に入らせてもらえないからだ。
入ろうとすると「お嬢様を使用人の部屋に入らせるわけにはいきません」と毎回言われる。
私はみかの部屋だから入りたいのに・・・と心の中でいつも呟いているのに・・・。
けど、今日は特別!
なんて言われようが入っちゃうもんねーーーだ!!
コンコン、とみかの部屋をノックすると、ゆっくり扉が開いた。
「・・・・・・お嬢様。まだお休みになっていなかったのですか?」
みかの綺麗な黒髪が部屋の逆光に照らされ、透けているんじゃないかと思うくらい輝いた。
眩しくて思わず目を細める。
「ああ、申し訳ありません。眩しかったですね」
パチン、と部屋の電気が消され、みかの姿はぼんやりとしか見えなくなった。
電気じゃなくてみかが眩しかったんだよ・・・。
・・・・・・なんてね!!
「えへへ・・・あ、あのさぁ」
「なんでしょう?」
「ちょっと話したいことがあって・・・・・・部屋に入ってもいいかな?」