たまにはいいじゃないですか蒼井くん。【完】
ガチャリという音が鳴り響き、
蒼井くんが「ただいま。」
というと、わたしも振り向いておかえり、といった。
依然漫画は読んでいるが。
「なに、桃花。その漫画すきなの?」
わたしが漫画を読んでいることにきづいた蒼井くんはそう尋ねてきた。
「うん。初めて読んでみてるけどおもしろいね!
はまちゃって、もう1巻読み終わっちゃった。」
私がそういうと、すこし蒼井くんは微笑んだ(ようにみえた)。
「ねえ。」
そのあとも変わらず漫画をよんでいた私に、
珍しく蒼井くんからはなしかけてきた。
「どうしたの?」
いつも通り、私がそういうと、
「体勢。変えてくれないの?」
と、蒼井くんは意識するでもなく、本当にいつも通り言う。
なんだかちょっとおもしろくないので、
「この体勢が一番なの、漫画をよむには。」
といい。蒼井くんのお願いは無視した。
すると蒼井くんはいつもとなにもかわらずいった。
「あっそ。
...じゃあ漫画よんでおけば?別に俺がなにしてもいいよね?」
...前言撤回。
「...え?」
うん?まってこの展開は...?
身の危険を感じた私はすぐにベッドから飛びおきる。
「えっと...何でしょうか...」
そう蒼井くんにいうと、
「なんでもないけど? ほら、早く漫画よみなよ。」
なんてまたニコニコしながら言う。
「...ハハー今はイイカナー...みたいな...?」
ついさっき身の危険を感じたばかりなのでそうやすやすとはベッドに戻れない。