すれ違う未来

【すれ違う未来】-すれ違う未来-

●彼女視点：1話


「ねぇ、別れよっか？」
私はキッチンで食器を片づけながら彼に告げた。
「あ～　そうだな」
その気の抜けた返事に私はすぐに振り返って彼を見た。
彼は私の方を向くことも無く、テレビのバラエティ番組を見ていた。
そして、「はははっ」と笑った。

「じゃあ、お邪魔しました」
私は用意してあった私物を入れた紙袋を持ち、玄関のシューズボックスの上に合鍵を置いて彼の部屋を出た。
「おう　　　はははっ」
彼はまだテレビを見て笑っていた。