すれ違う未来
「俺達 滅多に喧嘩しないぞ?」
兄は言う。
「うん、知ってる」
「お互い協力しあってるし、多分 多美は俺に対してそんなに不満はないはず」
私に対して シスコン! なんて思ってなきゃいいけどね?
「ぷっ 凄い自信」
「プロポーズした時に、 今の生活に子供が増えるってことか~凄く楽しみ って言ったんだぞ?」
「多美さんが?」
「そう」
「そっか、今でも十分幸せって思えてるんだろうね? さすが、せいちゃん!」
兄は妹の私にだって凄く優しいもの。
彼女である多美さんにどれだけ優しくしているのだろう?

彼と私とは全然違う付き合いをしてきた二人。
一緒に住み、協力し合って、この人となら!と結婚を決意したんだろう。
・・・いいな。

彼も今の彼女と結婚を決意した時、何を考えたんだろう?
何が決め手だったの?
どうして私ではダメだったの?

兄の結婚を嬉しく思っているのに、心の中では自分は好きな人と結婚できない現実が痛かった。
< 31 / 101 >

この作品をシェア

pagetop