すれ違う未来
「良かった。 そんな事があったら岩崎をただじゃおかないわよ! 三都と真剣に付き合ってるって私に言ったんだから」
「そうなの・・・?」
「うん、付き合い始めた頃に訊いたの。
じゃあさ、三都が他に好きな人ができたってことも無いの?」
「そんな人は居ないよ・・・」
「性格の不一致とかそういうこと?」
「そうだね」
「・・・そっか・・・だけど、どうして別れたって私に言ってくれないの?
岩崎だって、別れたなんて言って無かったよ?」
「彼が言わないのは分からないけど・・・私は、ただ渚と春日さんはお付き合い続けているのに自分たちは別れたっていうのが気まずかったの」
「そうなの? 
・・・それよりさ、岩崎と結婚しようと思ってなかったんだ?」
渚の言葉にドキリとした。
「えっと・・・・」
「三都は岩崎と将来を見据えた付き合いをしてると思ってた。
だから、彼から岩崎が指輪を買うって話を聞いた時、私、自分のことの様に喜んだの。
だけど、一向に三都からも岩崎からも結婚の話が出ないから、三都の親が反対しているのかな?って思ってたの。
お兄さん達から先に結婚して欲しいとか言われてるのかな?って・・・」
「渚、ごめん」
「別に私に謝らなくてもいいよ。 だけど、疲れる相手とは結婚なんてできないよね?」
「・・・うん」
「なら、結婚してから失敗したって思うより結婚する前に別れた方が良かったんだよ」
渚は笑って私に言う。
< 42 / 101 >

この作品をシェア

pagetop