すれ違う未来
「・・・ねぇ渚。 彼は本当に私の誕生日にプロポーズするって言ったの?」
「そう聞いたよ?」
「私に?」
他の人では無く?
「三都以外に誰が居るのよ?」
渚は当たり前の様に言い切った。
私以外に・・・居ないの?
渚の彼氏の春日さんに指輪を買うことやプロポーズすることを言ったとしたのなら、それは、確かに相手は私以外考えられない。
だって、春日さんは彼がお付き合いしている女性は私一人だと思っているし、春日さんの彼女は私の親友なのだから。
私と他の女性とを二股かけているなんて彼は春日さんに言ったりしないだろう。
・・・ということは、春日さんに婚約指輪を買う話をしたのが本当なら、その指輪の贈る相手は私以外考えられないのではないか?
あのクローゼットに隠すように置いてあったアクセサリーブランドの袋は・・・。
私へ?
それなら、どうして彼はあんなにあっさりと私と別れたの?
・・・やっぱり私以外の人がいるからではないの?
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