すれ違う未来
「・・・言った」
「なんで!? プロポーズする前に別れてるんだから余計なこと言うなよ!」
「ごめん・・・本当に申し訳ございませんでした」
同僚は深く頭を下げた。
「言ってしまったものは仕方ないよな・・・俺こそキツイ言い方して悪かった」
「・・・岩崎は理由も判らずに三都と別れたこと後悔していないの?」
「後悔ばかりだよ・・・だけど、俺との別れでアイツが幸せになるならって思ったんだ」
「・・・やっぱり岩崎っていい人なんだよね~。
三都、どこがダメだったのかな?」
「会社で会ってる俺とプライベートな俺では印象が違うんだろ、きっと」
「そうなの?」
「多分・・・」
会社では社交的で明るい人間だし、気配りもできると思われているのではないだろうか?
でも一歩家に入れば、家の事は全て女性に任せたいタイプなんだ。
古い考えの人間だと思う。
会社での俺しか知らない人は、俺がそういう考えの人間だと知ることはないだろう。
「とにかく、理由が知りたいと思うなら、三都と連絡をとるべきだと思うけど?」
同僚はまた真剣な表情になった。
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