すれ違う未来
「お前が先でいいよ」
彼は何故か苦笑している。
「どうして?」
「・・・だからさ~・・・気になんないのかな?」
「何が?」
「俺、お前のこと舐めたから・・・」
そう言われも、彼はいつだって私を舐めていたし・・・。
反対に、お風呂に入っていない私を舐めた彼の方が気にならなかった?と思った。
彼は何が言いたいの?
「・・・かなりニンニクの臭いしてるけど・・・・」
と彼は言いづらそうに私に言った。
「あっ!? そっか、分かった。 先にシャワー入る!」
私は慌てて裸のままお風呂に向かった。
まさにダッシュで。
狭い部屋だからすぐにお風呂の中に駆け込める。

お風呂の中で、私は苦笑。
彼の作ってくれたペペロンチーノを食べ終えてすぐに抱かれたんだもの、お互いにニンニク臭いまま。
その彼に体中舐めまわされて、私はニンニク臭を纏っていた。
・・・それに気付かないほど私は彼との行為に酔っていた。
彼と結婚前提に付き合うことができるんだ。と思うと、本当に嬉しくて。
そんな自分に笑ってしまう。

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