すれ違う未来
「あっさりだったな~」
帰りの道で私は大きな独り言。
別れの言葉に対して「あ~ そうだな」の一言で了承されてしまう私の存在って一体なんだったのだろう。
私から別れを切り出されて好都合だったのかな。

本命が別に居たのに、私の物を平気で部屋に置いていた彼の神経が信じられない。

もしかしたら、別の女性は、私と付き合ってすぐ、もしくは私より早くからお付き合いが始まっていたのかもしれない。
私が初めて違和感に気づいたのは合鍵をもらってすぐだったし、彼の部屋の調理器具は始めからかなり揃っていた。
・・・元カノが揃えたのかもしれないが。

でも、あの時は、彼の中で私の方が本命だったのだと思う。
だって、部屋の中を私の好きにしても彼は何も言わなかったもの。
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