コイスルエバポ
『実は…博物館の話してたら、明日の一時くらいに行くから、良かったら来て一緒に見よう、みたいな感じで言われたんだけど…』

その時の彼の発言を思い出して再現している間、ミキとマリコは「!?」と声にならない声をあげていた。
完全にテンションMAX状態である。

『これ、明日行かなきゃだめ?なんか…「行け。
一緒に行きたかったんだよぉぉー。行ってやれよぉぉー。」

マリコが私の発言に割り込んで言う。誰なんだ、この酔っぱらいは。

「てかてか!行くなら少し位は女子らしく!」

オシャレ好きなミキはやたらと張り切っている。
自分の持っている服はボーイッシュ系が殆どで、デニムのショーパンにロックっぽいTシャツなんかが多い。
私服で誠也に会うと「服!なんだよー女子っぽくねー!」と文句を言われることがあった。

イメチェン願望はあったのだが、ふわふわ女子な服を着る機会がなかった。
じゃあ今だ。女子っぽくなってやろうじゃないの。

『あの、可愛い服買うタイミング伺ってたんだけど…今じゃん?服買うの付き合って!』

私たちは駅の中にある可愛い服屋を巡った。
いつも可愛い系の服を着ているミキに助けてもらい、ガーリーな明日のコーディネートが完成した。
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