コイスルエバポ
『うわー!って、驚きすぎ。』

「うるさい。あーてか今暇?さっきの、プリント持ってるけど、見る?」

『みしてー。』

…うわっ、確かに凄まじい数の実験が書いてある。
というか、意味がわからないカタカナの羅列が半数ほどを占めている。

「…アホ面」

『はぁ?お前に言われたくないから』

「あ、俺やっぱ有機は候補にいれないで薬学のやつにするからさ、お前もそれ第一希望にしたら?まぁ、お前はどんくさいから助けてやれるしな」

『ふーん、あっそ、逆に私があんたを助けるはめになるかもね。良くわかったから家帰るわじゃーねー』


無表情、早口でいい、家へ急いだ。
誠也とのやりとりはいつもこんな感じだ。


明日の放課後を楽しみにしつつ、初夏の草木の香りを深く吸い込んだ。
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