【短】いやもうほんとに可愛すぎるとおもうんです。

「...だよね、わかってた。」


ごめんね、と、なぜだか寺田君はすごく申し訳なさそうな顔をする。

そして、自分のカバンのチャックを開け、何かを探している。


「わかってたけど...よかったら、これ、もらってくれないかな?」

そう言って、カバンの中からだされ、私に差し出されているのは小さめの一つの紙袋。

「え...でも...」


そういって断ろうとすると、


「迷惑なのはわかってる、でも、ごめん。

これ、吉田さんに買ったものだから、もうほかの人には渡せないんだ。」


ごめん、といって、わたしに紙袋をさしだし続ける。



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