【完】Angel Heart
そういうと、湊はまた、固まってしまったあたしをエスコートするように歩き出した。
あたしの記憶は、もう、完全にぶっ飛んでしまって、何もない。
バタン。
結局、家まで送って貰って、軽く「また明日ね」なんて挨拶をされ…。
あたしは家族へのただいまの挨拶もそこそこに、自分の部屋に戻ると、ベッドに倒れた。
…あれって、いわゆる、告白ってやつですよね?
でも、今まで、そんな……。
湊があたしを好きだって言うオーラなんか感じたことなかったし。
湊はモテるし…。
女の子なんか、選り取り見取りな筈なのに…。
「……あたしなんかの、どこがいいのーーーー!!!」
自分にとてつもなく自信のないあたしは、枕に顔を埋めて声にならない叫び声を上げた。