【完】Angel Heart


「はい。ストーップ。時間切れ。告白なら他を当たって。実楽はオレが連れて帰るから」



「お、小野坂?」



「湊?え?帰ったんじゃなかったの?」



「帰れる訳ないでしょ。実楽置いて」



「湊…」


そう言われて、なんだか今まで意地を張っていたのがバカバカしくなった。




「で、実楽はどうする?サッカー観に行くの?オレと帰るの?」



「…っ!湊と帰る!」



「というわけで、残念でした。おとといおいで」




あたしの肩にふわっと手を乗せて、湊はその男子にきっぱり言った。


湊の迫力に、彼は何も言えずに去っていく。



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