【完】Angel Heart



「あたしが…あたしが、自分のこと、好きになれるまで…待っててもう少し、貰えないかな!」


「そう…。まぁ…待つのは構わないよ。でも、なんでそんなに、実楽は自分のことが嫌いなの?」



「うん…なんでこんなあたしのことを、湊が好きになってくれたのか、分かんないくらいに…」


「…たとえば、どんなところ?」



「…っ」



あたしは、瞳を瞑ったままの状態で、半分泣きそうになりながら、言葉を続けた。



「あ、あたし、可愛くないし。素直じゃないし。不器用だし、ヤキモチ焼きだし、怒りっぽいし…」



「それから…?」



「湊は格好いいし、皆から好かれるくらい良い人だし。…こんな臆病なあたしじゃ、釣り合わない…っ」



ぼろり。



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