[完]全力恋奏~音に乗せて~
もちろん、新村くんもいるわけで、目を見開いてこっちを見ている
「うざっ」
通る時、一人の女の子が私にそういった瞬間、優生先輩が止まった
「お前らさぁ、だらしねぇなぁ?」
突然発した言葉に、皆が固まる
「コイツが何した?しずくがっ!てめぇらに何したんだよっ!」
クラスの皆がビクッとなるのが分かる
「柊羽と付き合ったからか?見苦しい嫉妬だなぁ!」
「せんぱ……っ」
黙ってと言うように、私の手を掴む手の力が強まった
「しずくの心は綺麗なんだよっ!てめぇらみてぇに、腐ってないんだ。それを柊羽は好きになった。当たり前だ!陰口を聞こえるように、本人にいう勇気も無いくせに!上靴隠したり、やり方が汚ねぇんだよ!…しずくが可愛いからか?モテるからか?それで?んなことやってる暇あったら、まずその性格直すのと、努力しろよ!」
嫌がらせをしていた女子は俯き、ほかの人はポカンとしている
「それだけだ。」
そして、「柊羽こい」
と言って、私の手を掴んだまま再び教室から出た
「優生っ!」
「お前も生意気だなっ!」
さっきの殺気はどこへやら、輝く笑顔に戻っていた
けれど、どこかやっぱり疲れていて……
「柊羽、しずく。聞いてほしい」
突然真剣になる優生先輩の顔と声に、嫌な予感しかなかった