[完]全力恋奏~音に乗せて~
「紅。俺らは行こう」
新村くんが言うと、2人はいなくなり、飯倉くんと二人きりになった
「……飯倉くん」
「困らせたいわけじゃないよ」
「……」
「柊羽から園村さんの話を聞いてるうちに、興味が湧いた」
そういえば、初めて話した時……
「柊羽の言ってたとおりだ」
って言っていた気がする……
「最初は、カワイイ子だなって思ってた。けど、初めて話した時…好きになった。柊羽と両想いだってことも分かってた。」
胸が痛んだ…私がこんな気持ちになるのは…
「けど、一緒に過ごすうちに…止められなくてとめられなくなってた……もう、こんなに大好きだったんだ」
何でかな……涙が溢れてきちゃうよ
私の頬を伝う涙を、飯倉くんは手で拭う
「泣かせてごめん……困らせてごめん…」
どんな気持ちで今まで過ごしてきたの?
苦しい思い沢山させてしまった
もちろん紅ちゃんにも。
「あいつと付き合ったのは、ヤケクソになってただけだと思う。……でも、もうこれじゃあダメだな。…別れるから」
そう言っていた飯倉くんは苦笑いをしていた