[完]全力恋奏~音に乗せて~


病院へ行くのは久しぶりだった

途中途中出会う看護師さんに、久しぶり!なんて声をかけてもらったりした

「あのっ!」

「あら!しずくちゃん?!久しぶり〜」

受付にいたのは、私の担当をしてくれていた看護師さん。佐倉さん。

「優生先輩…病室変わってますよね?」

何となく、私の言いたいことがわかったんだと思う

目を見開いてすぐ、悲しそうに笑って

「案内するわ」

そう言った


病室は、一人部屋だった

「…優生くんは優生くんだから…心は変わってないからね……」

なぜ入る直前そんなことを言っていたのか、理解出来なかった



__________コンコン



ノックをしても帰ってこない返事…佐倉さんは、勝手に開ける

「さくらさっ……」

さっきの言葉の意味は、入って気がついた



「じゃあ、ね?」


そして、病室に三人となった私達

「優生先輩…」

「優生」


何も反応しない。こちらを見ようともせず、空を見上げてる

まるで、何もうつさないかのように……聞こえないかのように…
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