[完]全力恋奏~音に乗せて~
「優生くんは、今、もう…明日持つかもわからない状態なの」
……え…?
だって…あと2ヶ月って…
「2ヶ月はもつって言われてた……けれど、白血球が思ったより少なくなってきてて、免疫がないの」
「そんな…」
「目も動かなかったでしょう?反応もしないでしょう?……目が見えなくなって、耳も聞こえなくなってしまったの……これは、病気のせいじゃあないと思われてるわ」
やっぱり、そうだった……っ!でも……
「眉が動いて……!」
すると、佐倉さんは目を見開いたあと、優しく微笑んだ
「きっと、あなた達がよっぽど大好きなのね…」
泣いたら、いけない……
「泣いてました」
と、新村くん
私が泣いたらダメ……
「……っ…2人にはそばにいて欲しいと、私に初めて涙を見せたっことがあった…けど、情けない姿も見せたくない……いや、本当はどう思われるか怖いって。あなた達が悲しむ顔を見たくないって…泣いていたの」
もう、涙は頬を伝っていた
「……っ……」
新村くんも涙を流していた…ながらも、私の頭を撫でてくれていた
「…優しく生きているで優生くんなのに…あの子は優しすぎるのよ……あと、もっても明日…覚悟をしていて欲しいわ」
佐倉さんまで泣いていた
こんなにも愛されている優生先輩……明日なんて…
「はやすぎ、るよっ……!」