[完]全力恋奏~音に乗せて~
夜の校舎は暗いけれど、外では明かりもついていて、星空も綺麗で……
いよいよ明日かぁ……
そんな思いにふけていると、突然私の目を誰かが覆った
「きゃっ!」
悲鳴をあげたのにびっくりしたのか、その人はしっ!と言った
振り向くと、…同じクラスの男の子がいた
「…青山くん?」
「園村さん…ごめん、びっくりしたよな」
申し訳なさそうに頭をかく青山くん
どこか頬を紅くしているような気も……
「大丈夫だよ?で、どうしたの?何か足りなかった?」
「いや、……その、さ……」
モジモジと何も答える様子のない青山くん
……鈍感だった私も、なぜか過去泊されることが増えた事で、ちょっとずつ気がつくようになった
これは
「俺、園村さんが好きなんだっ…柊羽と付き合ってるし、けど伝えたくて」
「うん、ありがとう!けど、ごめんなさい!」
そう言って頭を下げると、苦笑いしていた
「柊羽がなかなか告白させてくれないから…柊羽のいないうちにって」
……新村くんが?
気のせいじゃないかな?
青山くんは、走っていってしまった
そこへ、後ろから抱きついてきた人が1人
……何となく、その匂いと強さで、誰かなんてすぐにわかった
「新村くん……?」
走っていたのか、息切れしている
「どうしたの?」
「……」