[完]全力恋奏~音に乗せて~

無言を貫く新村くん

「にいむらくっ……」

顔を見ようと無理やり離して振り向くと、そこには不安な顔をした新村くんがいた

「…しずく……気づいてよ」

いつに無く弱々しい声

「…不安で仕方ない。」

そんな新村くんを気がつけば抱き締めていた

背が15cmくらい高い新村くんの首にめいいっぱい腕を回して

「ごめんね…大好きだよ」

そのまま私を抱き上げて、近くの教室に入った

「新村くんっ……?」

床に座った状態で壁に持たれる私に、上からキスする

「…夜だからかな……俺やべぇよ…」

「にい……っんっむ!……っんぁっむ」

激しくなっていくキス

息も苦しいけど、それ以上に胸が落ち着かなくて、壊れちゃうんじゃないかってくらいに

「しずくモテすぎ……っ」

「っ……?!っちゅ……っぴちゃ……んんーーー!?、?!」

突然入ってきた新村くんの舌が私の舌に絡む

音を立てながら重なる唇に、顔が赤くなる

一度離れる新村くん

「折角、しずく狙ってる男…告れないよう仕組んでたのに。台無しじゃん」

「…ごめん」

「俺ばっか好きしてる」


どうしてか、すごく…愛おしい

そんな新村くんの手を握っていた


「新村くんの声を聞く度に、胸がきゅうってってなる。」

「しずく?」

突然話し始める私に戸惑う様子の新村くん

「頼りになる所。拗ねちゃうところとか、可愛くて仕方ない。新村くんが居なくても居ても、私の全部が新村くんでいっぱいで、心臓が落ち着かないよ。全部が…大好き」

隣を見て笑うと、私の頭を引き寄せて、照れていた

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