[完]全力恋奏~音に乗せて~

少し…いや、かなり不機嫌な様子の新村くん

すると、無言で私の腕を掴んで引っ張る

「い、痛いよ…」

そう言っても、力を緩めることもなく、速度が落ちることもなく歩く

「新村くん…!」

私は少し小走りになってた




__________バンッ!



着いたのは快晴の屋上

ちょうど誰もいなくて、2人だけになってた

「新村くん……っん?!」

新村くんってキス魔なのかな……?

最近すごくキスをしてくるような……

「新村くん!」

「ふざけんな……」

「どうして怒ってるの?」

「もっと自覚しろって……」

え?何言ってるんだろう?

「だから!何でもっと自分が可愛いこと自覚してないのって!」

怒鳴られてビックリして、肩がビクンとあがる

「……ご、ごめ、なさ…」

すると、ハッとしたように、頭をかいてしゃがんだ

「ごめん…こんなの…ただの嫉妬だよ。」

こんなになる新村くんを見たことがない


「……さっきの、あの男の子に何言われたの?」

そう聞くと、思い出したように私を見る

「マジで一人にできねぇな」

「?」

結局何を言われたのか、教えてくれませんでした

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