[完]全力恋奏~音に乗せて~
「ちゃんと話すから……」
そう言って、話し始めた
「あん時、しずく待ってて…呼ばれたんだ。遠くから。したら、元カノがいた。で、あーなった。別れるときに俺に未練たらたらで、ちゃんと考えてみれば、あの時にああなることも分かってたはずだ。本っ当にごめん。」
……元カノ、さん
分かってたのかもしれない。
それに、女の人はとても幸せそうだったから
「新村くんは、悪くないよ…」
なのに、この胸のモヤモヤなんだろう?
今までに感じたことがないくらい、もやもやして気持ちが悪い
すると、新村くんは私の頭に手を置いた
「どうした?」
……あれ?私…
「モヤモヤして」
これって……
「モヤモヤ?」
「胸がずっと、気持ちが悪いくらいモヤモヤって…」
そう言うと、新村くんはにやっと笑って
「ヤキモチ?」
そう言った
あぁ、そっか。
何かわからないこのモヤモヤに“ヤキモチ”と言われたら、しっくりくる
「……恥ずかしい…」
「嬉しい」
そう言って、また私を抱きしめた