[完]全力恋奏~音に乗せて~
「行くか!」
そう言って、私の手を握って歩き始めた
……手、手!新村くん、手!
と、どれくらい経っても慣れない
「新村くん……」
「ん?」
「ありがとう!」
笑顔でそう言ったら、新村くんは手で口を抑えて、そっぽ向いてしまった
「え、え?」
「…あのさ、不意打ちとかやめてくれる?かわいすぎるから」
「な!……////」
付き合ってから何だか甘くなった気がする…
そして、遊園地?の入口で、
「カップルさんですか?ですよね?うん♡じゃ、キスしてくださぁーい♡」
と、かわいい女の人が言った
「え?」「は?」
と、息ぴったりに反応する私たち
「え?予約されたの彼氏さん」
「はい」
「えーっと、説明の真ん中辺りに、“カップル限定なので、その証明でキスしてもらえないと入れません♡”って書いてあるの見てません?」
すると、あ、と言って面倒くさくて読まなかった…
なんて頭を抱えていた
「新村くん…」
「…ごめん、ほんとごめん」
悩んで困ってる新村くんを助けたくて、私は自分からキスをした
もう恥ずかしくて恥ずかしくて……