[完]全力恋奏~音に乗せて~

結局、あまり乗り物に乗る気分になれなくてジェットコースターと観覧車に乗って外に出た

「時間大丈夫?」

「……うん」

そう言うと、新村くんが再び私の手を握って歩き出す

10分くらい歩いて、着いたのはカフェ

「あ」

そのカフェには、海夏さんと男の人がいた

「海夏」

「しゅーちゃんとしーちゃん!」

きっと一緒にいる男の人は彼氏さんなんだろう

「こちらは、彼氏の新名 星羽(niina syou)くん!」

私と新村くんは、ぺこと頭を下げた

けれど、……新村くんの顔は今にも泣き出しそうだった

新村くん……

きっと、2人は恋人同士だったんだ……

そう、さっきからの胸の痛みは、そういう事だったんだ

きっと、これが“ヤキモチ”

「相席しない?」

海夏さんの提案で、何故か相席になった

一緒に話せば話すほど、海夏さんのいいところが見えてきて苦しい

やだよ……もう

ずっと、胸は苦しいままだった
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