[完]全力恋奏~音に乗せて~


初詣の日は、紅ちゃんに連絡して先に帰った

紅ちゃんは飯倉くんといい感じだったみたい





1月10日

今日から学校です…でも、

「行きたくないなぁ……」

初めてそんなことを思った

髪の毛もセットする気力もないし、……なんだろう…この無気力感



かなり早めに学校に着いた

バスケ部が朝練している時間だ…

吸い寄せられるように、体育館の近くへ行ってしまった


そう、もしこの時に行かなければ、あんなに辛い思いをしなくて済んだのに……



空いてるドアから少しだけ中を覗く

もう、朝練は終わった様子でみんなが次々あがっていく

でもその中で1人だけ、残る人がいた…

「あれ、柊羽!あがんねぇの?」

「俺まだ少し練習してくわ!」

「わかった!程々にな!」

新村くん…いつも努力をしているからこそ、飛び抜けてすごいんだ


シュート練習をしている新村くんに、一人の女の人が近づいていった

「柊羽くん、あまり無理したらダメよ?」

「椎名。大丈夫だよっ……っと」

そう言って、その女の人に振り向いたとき、その人は新村くんに、キスをした……

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