[完]全力恋奏~音に乗せて~

「私がっ…悪いのっ……!」

「…別れたんでしょ?」

うん、と頷く

「柊羽から聞いたよ…理由も全部……それで?どうして泣いてたの」

……話していいのかな…?

「話して大丈夫だ」

まるで私の心を読み取るように、大丈夫と言い聞かせる

「キス……してたんです。新村くんと、椎名?さんが」

それを言った途端、驚いて目を真ん丸に見開いていた

「は?それって、……椎名ってやつからだろ?」

「うん」

飯倉くんは、ため息をついて髪の毛をクシャってしてしゃがんだ

「だから、私が悪いんだよ…私から離れたんだもん」

そう言うと、下を向いていた飯倉くんが顔を上げて真剣な顔で私を見る

上目遣いって……男子がしても様になるんだね

なんて感心していたら、飯倉くんが立ち上がった
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