[完]全力恋奏~音に乗せて~
その日、紅ちゃんと屋上で二人でご飯を食べた
「私ね、翔亮のことは大好きだよ…けどね?だからって、しずくに嫉妬して何かするとか、そういうのはない。」
突然話し始める紅ちゃんに戸惑う
「…だから、翔亮と何があったとか、私に一番に相談してよ!」
「え……?」
「寂しいんだよ?なにか悩んでるのわかるのに、相談されない気持ち……」
紅ちゃんは、もしかしたらなにか気がついてるのかもしれない
「……私ね?飯倉くんに、また告白されたの」
「うん」
「…抱きしめられて」
「うん」
「もう、どうしたらいいのか、自分でもわからないよ」
紅ちゃんには、あの日の朝のこと、新村くんが椎名さんという人とキスをしていたことも言った
「……椎名って…椎名葵(siina aoi)でしょ多分」
知っているような感じの紅ちゃんに、誰?と聞き返した
すると、紅ちゃんは顔を歪ませて言った
「私を、いじめていた人……」
そのことに一番驚いた
だって、椎名さんは、見た感じフワフワしていて女の子らしかった
「最初は翔亮を狙ってた。けど、諦めたんだ。それでフリーになった柊羽に行ったと。」
もともと狙ってたみたい。と苦笑いで言った