[完]全力恋奏~音に乗せて~
お昼休み_______
二人で屋上へ行った
「しずく」
紅ちゃんが真剣な表情で私を見る
「紅ちゃん……」
「私、飯倉くんもいい人だと思う。……けどね?紅ちゃん…紅ちゃんを傷つけつけるようなことはしたくないよ」
「しずくっ……」
「ごめんね?」
そこまで話してた時、誰かが屋上へ来た……
「……っ!」
「翔亮…」
新村くんと飯倉くんだ。
「べにちゃっ……ごめっ…」
私は弱いよ。新村くんから逃げることしか出来ない
「しずくっ!」
どうしてっ?……どっ、うして、追いかけてくるの!?
「しずくっ…」
逃げても、いつも必ず捕まってしまう
「新村くん…」
向き合うと実感してしまうから。
今はもう恋人同士じゃないことを。
なのに、新村くんは…
「はなしてっ!……にいむらくっ…」
なぜ私を抱きしめるの?
「しずくっ…もう一度、もう一度…振り向いてよ」
苦しいんだってことは、声から伝わってきた